現在TVアニメが放送中の「Helck」の作者である七尾ナナキ先生の最新作「異剣戦記ヴェルンディオ」についてご紹介させていただきます。
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「異剣戦記ヴェルンディオ」は小学館のWebコミックサイト「裏サンデー」にて連載されている作品で、作者は七尾ナナキ先生です。
七尾ナナキ先生の代表作はHelckで、こちらは2014年から2018年まで「裏サンデー」で連載しており、2023年に完結から5年の時を経てアニメ化されました。
人間の勇者であるヘルクが、魔王ではなく人間を滅ぼそうとするという、今までなかった設定やテンポの良さなどが受け、連載当時、Web漫画としては部類の面白さであると一部で評判になっていました。
そんな七尾ナナキ先生が2020年より連載しているのが「異剣戦記ヴェルンディオ」となります。
あらすじとして裏サンデーに掲載されている文章を引用すると
「夢はマイホームを買って平穏な生活を送ること!
傭兵歴10年のクレオは数年遊んで暮らせる大金を稼ぐため、王国からの「山賊討伐」の依頼を引き受ける!
しかし、そこで出会ったのはーー!??」
となっています。
ファンタジーな世界観を舞台に、時にシリアスに、時にコミカルに、酒場を発展させるべく奮闘する姿が描かれています。
男性キャラクターはやや骨太に描かれていますが、女性キャラクターはコハクを主に可愛らしく描かれており、コミカルに怒るコハクなどは程よくデフォルメが効いていて、七尾先生のこだわりを感じます。
圧倒的に引き込まれるプロローグ
物語は第0話「プロローグ」から始まります。
山賊討伐を受けるため王都へ来た傭兵の「クレオ」。
破格の賞金に集まった傭兵たちを横目にクレオは「山賊頭領を倒すのはこの俺だ」と意気込みますが、
その次のページでは全速力で逃亡するクレオの姿が・・・
集まった傭兵が次元の違う強さの山賊の頭領一人に壊滅させられてしまいます。
逃げ切ったかと思われた瞬間に茂みから突然出てきた人影にナイフで胸を一突きされ倒れ込むクレオ。
しかし何事もなく目を覚ますと頭に猫のような耳のある亜人の少女「コハク」がいました。
おもちゃのナイフで刺したフリをしたコハクは未来を予知できるといい、
クレオは近い未来に死ぬ運命にあると告げ、クレオのことを守りたいと言います。
クレオが訝しげにしていると突如熊が出没し、熊から逃げる事に。
逃げる最中に自給自足の生活をして平穏で安定した生活を送るのが夢だと語るクレオに、
一緒に住むと言うコハクにツッコミを入れたりしながら、王国の砦に到着するも山賊たちの手によりすでに壊滅していました。
絶体絶命ながらコハクの術により山賊たちを撃退しますが、安堵した束の間、クレオの体に突き刺さる矢が────
コハクは「私の命をあなたにあげる」とクレオに蘇生の術を施すのですが、その次のページでは
不気味赤く染まった空と無数の剣が突き刺さる大地をバックに「私が見た未来を、変えてみせて」
そう呟きプロローグが終わります。
プロローグは登場キャラクターと世界観がなんとなく把握でき、またコハクのセリフは意味深なものが多く、多く残る謎がこの先どう明かされるのか読者が気になるという構成が非常にうまく出来ています。
どことなくほのぼのした開拓ライフにワクワク
第一話ではプロローグ以降、長い時が経過した謎の古城でクレオが目を覚ます所から始まります。
そしてコハクから適性があるものが持てば千の兵を凌駕する”異剣”と呼ばれる特別な武器の存在を知らされ、異剣探しのためになんと旅の街道に酒場を出すことを決めます。
そして”酒場の開業”と”異剣探し”を目指し、クレオとコハクの二人が奮闘し開拓していく姿が描かれます。
自給自足の生活を夢見ていたクレオは畑の世話などではどことなく生き生きとしており、そんなクレオの性格の良さが読んでいて気持ちよく、漫画の主人公として非常に優れたキャラと言えます。
第一巻を読み終えた時にはトマトにかぶり付きたくなるかもしれません!
ギャグとシリアスのバランスの良さ
酒場を経営するに当たっての第一の問題として水の確保が課題なのですが、これがまた世界観の設定が生きた方法で解決したり、突如現れた騎士団に営業の許可を問われたり、酒を振る舞っては愚痴を聞いたり、行き倒れの亜人を世話したりと様々なことが起きます。
その後も、”異剣”とはどういうものなのかという疑問点や、亜人に対する扱いや国の内乱などが描かれていきます。
そんな騒乱の中着実に開拓されていく酒場、明かされる新勢力、美味しそうなご飯。
バトルシーンの緊張感と酒場経営のシーンでののんびりした雰囲気がバランスよく描かれており、読んでいる人を飽きさせない構成になっており、ファンタジー作品が好きな人ならきっとお気に入りの作品になると思われます!
そんなバトルと酒場を中心に物語が進んでいくファンタジー作品「異剣戦記ヴェルンディオ」は現在単行本が第六巻まで発売中で、「裏サンデー」と「マンガワン」にて好評連載中です。
「裏サンデー」ではプロローグとなる第0話と第1話と最新話を無料で読むことが出来ますので、ぜひ一度作品をチェックしてみてください!
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