今回は週刊少年マガジンで絶賛連載中の「戦隊大失格」をご紹介させていただきます。
「戦隊大失格」(せんたいだいしっかく)は、五等分の花嫁で知られる春場ねぎ先生による作品で、「週刊少年マガジン」(講談社)にて、2021年10号から連載中です。
2023年11月現在で11巻まで発売されており、テレビアニメ化が発表されており、2024年からTBS系列で放送予定となっています。
今までになかった「戦隊モノ」
「戦隊大失格」の舞台は「竜神戦隊ドラゴンキーパー」と悪の怪人軍団「ダスター」が毎週日曜日に戦いを繰り広げている、戦隊シリーズが実在する現実のような世界です。
その決戦を「日曜決戦」と人々は呼び、その戦いでは必ずドラゴンキーパーが勝利する展開が続きます。段々と日曜決戦は一つのイベントへと化し、民衆はその大戦隊の活躍を毎週楽しみにしています。
しかしその戦いは高い志を持って行われるものではなく、ヒーロー側と「ダスター」との間で交わされた協定によって行われる八百長だったのです。
そんな戦いを13年続けてきたダスター達の気は緩み切り、まるで地球を征服しようとやってきた怪人とはおもえない様子。
主人公である「戦闘員D」は惰性のように行われる意味のない戦いに疑問を持ち、「自分たちの使命は世界征服だ!」と熱く夢を語ります。
しかしそんな戦闘員Dに対し他の仲間たちは「意識高い」と笑いものにし、割り切れと諭されます。
納得できない戦闘員Dは「黙ってやられる役はもう ごめんだ」と、立ち向かうことを決意する・・・というのが話のあらすじとなります。
陳腐とかしている戦隊と悪の組織の戦いや、戦闘員達に「死なない」「自分の姿を思い描いた姿に再構築できる」といった特殊能力があるなど、今までになかった世界観・設定ではあるのですが、話が進むにつれて展開のテンポが速さや話が予想外の展開に進んでいく、ジェットコースターのように息つく暇もないストーリー展開がこの作品の最大のポイントで、今まで見たことのないジャンルの作品に仕上がっています!
そして作品の本質を表すように、一巻目の終わり方が読者の予想を裏切るもので、続きが気になるニクい展開となっています。
これはぜひ読んで頂き味わっていただきたいです!
モブの主人公に共感?練られた設定とキャラクター達
この八百長がはびこっているヒーロー作品という皮肉めいた設定は現代社会における「正義」に対するアンチテーゼ的なものを感じさせ、春場ねぎ先生の前作である「五等分の花嫁」とは全く違う作品である事に驚かされます。
悪の結社のヒラ社員、いわばひとりの「モブ」である主人公が、モブであることを辞めて自分の人生を歩もうと足掻く物語とも言えます。
そして主人公の戦闘員Dが、どのように「正義」とされている戦隊側で成り上がっていくのか、モブでしかなかった戦闘員Dは真の悪役になれるのか?かなり面白い設定だと思います。
そしてその過程で起こる様々なハプニングやバトルなどが、春場ねぎ先生の画力で綺麗ながらもやや前衛的に描かれているのも特徴です。
また春場ねぎ先生の作風独特のコメディー要素は健在で、皮肉めいた世界観ですが重くなりすぎない笑いが要所にあるのでスラっと読める印象です。
そして、「竜神戦隊ドラゴンキーパー」には多くの隊員が所属しており、かなりの数のキャラクターが登場します。
一番特徴的なキャラクターである「レッドキーパー(レッド部隊の正一位)」の赤刎創星(あかばねそうせい)は戦隊の顔として活動をしており、子供と一緒におもちゃの神具のCMに出演するなど公に活動していて理想の上司ランキング10年連続で1位を取る人気で表向きはとても評判が良いが、裏の顔は正義の味方とは言えないよう言動を繰り返しおり、暴力的な性格でパワハラがひどく、作中でも驚くべき行動を起こします。
おおよそヒーローとは思えない性格ですが、皮肉を多く含んでいる「戦隊大失格」においてはある意味うってつけのキャラかも知れません。
ヒーロー戦隊といえば「5色」なのでレッド部隊以外にも4部門あるのですが、これまた様々な癖の強いキャラがいるのですがそれぞれが濃いメンツで、把握するのにはかなりのカロリーが必要ですので、なんとなく関係性を頭においておく程度で充分楽しむことが出来ます。
作品のレビューは割と賛否両論
この作品についてのレビューですが、面白い!という意見から「わかりにくい」「こんなの戦隊モノじゃない」といった意見まで様々です。
一巻のレビューを引用してご紹介すると
「話が進むにつれてますます面白くなっていく 続き楽しみです」
「これもタイトルで損してる作品な気がする 世界観がしっかり設定されているから可能性をかなり感じる作品」
「戦隊の組織、怪人の能力などの設定、立場の違い、戦隊モノから考えるイメージとは違うダークさが面白いです」
といった意見から
「良いところと悪いところが極端で結果的に微妙なマンガ」
「正直、内容がよく分からない」
「戦隊ヒーローを勉強し直して」
という否定的な意見まで様々です。
今までになかった設定による作品ではあり、かなり設定も複雑ですぐには評価が得にくい内容ではあるので、様々な意見があるのは仕方ない気がします。
物語も徐々に詳細が明らかになっていき、展開のスピードも上がっていくので、物語を読み進めていくことでまた評価が変わっていくのではないかと思われます。
また基本的にモノクロで描かれるのが週刊連載のマンガである都合上あるとは思いますが、アニメでは当然フルカラーでの映像化となり、見やすさは向上するので、
アニメの演出次第ではマンガは読みづらいと感じた人も、楽しめる要素となる可能性もあるので、アニメには期待が持てますね!
また「戦隊大失格」プロジェクト映像が公開されており、アクションシーンのアニメーションを見ることができるのですがかなりレベルの高い出来になっており、俄然期待が高まります。
様々なスピード感を楽しめるアニメにも期待
そんな「戦隊大失格」ですが前述の通り2024年にアニメ化が決定しています。
PVがが公開されており、かなりの出来の良さが伺えます。
アニメーション製作は中国のゲーム企業であるYostarによるYostar Picturesが手掛けることが発表されています。
これまで自社のゲームである「アークナイツ」や「じゃんたま」「ブルーアーカイブ」のPVやアニメーション化を制作しており、そのクオリティの高さは知られていますが「戦隊大失格」のアニメ製作でもそのクオリティを維持していれば、アクションシーンなどアニメーションで見たい部分もかなり期待が出来ますね!
目次5(締め)
「戦隊大失格」は週刊少年マガジンでの連載ではすでに110話を超える長期連載となっていて、
あらすじで見えた部分からは考えつかないような展開が続いております。
アニメを見ようと思っている方は、事前にコミック版を読んでおくとまた違った楽しみ方ができると思います。
1巻を読んでしまえば2巻が気になり、ハマってしまえばあっという間に11巻まで読みたくなるような、ジェットコースター的な展開が楽しめますので、ぜひ一度お試しください。
マガポケでは第一話と毎週更新される各3話を無料で読むことが出来ます。
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