歌詞のわからなさも魅力。山崎まさよしの個性派3曲を厳選

音楽を聴く時、歌詞に共感したり、物語に浸ったりする人は多いはず。とはいえ、日本語の曲でも「意味がつかめない」「解釈に迷う」ことはあります。今回は、そんな不思議な余韻がクセになる山崎まさよしの3曲をピックアップ。個人的ベスト3として、歌詞の読みどころや聴きどころを紹介します。

1. パンを焼く|日常の料理が飛び交う、不思議な愛のメタファー

まず1曲目は「パンを焼く」という曲です。冒頭はパンを焼く情景から始まり、すぐに米を炊く、スパゲティーを作る…と、家事モチーフが軽やかに移り変わっていきます。繰り返される好きならしょうがないというフレーズからは、好きな人のためなら何でもするという献身のニュアンスが滲みます。

一方で、最後に僕のためにパンを焼くという視点が現れ、誰のための行為なのかがふっと曖昧に。そこに感じる矛盾や飛躍が、この曲の最大の面白さでもあります。突っ込みどころ満載なのに、なぜか心地よくまとまる不思議な一曲。

聴きどころ・解釈のポイント

  • 料理という身近な行為で愛情表現を重ねる構成
  • 視点の揺れが「主体のあいまいさ」を生み、想像の余白を広げる
  • 反復する言葉のリズムが、感情の熱を伝える

こんな人におすすめ

  • 日常描写の中に愛情やユーモアを見つけたい
  • 歌詞の解釈に余白がある曲が好き
  • 言葉のリフレインで高まる高揚感を楽しみたい

2. 長男|家制度と役割意識の重さを描くリアル

そして、2曲目は「長男」という曲です。1997年という時代背景を思わせる、家や親戚の価値観が色濃く反映された一曲。長男として背負わされる期待や責務、逃れにくい重圧が、ストレートな言葉運びで積み上げられています。

結論を断定しないことで、聴き手はそれぞれの家庭や地域の感覚に引き寄せて考えられるのもポイント。いま振り返れば、価値観の変化を測るリトマス紙のような存在感を持つ曲です。

時代背景と読みどころ

  • 家制度や本家という言葉の持つ空気感を想起させる
  • 「大変さ」を訴えるだけでなく、曖昧に終わる余韻がリアル
  • 現代の長男像とのギャップを考えるきっかけになる

こんな人におすすめ

  • 家族や役割のテーマを音楽で考えたい
  • 歌詞の社会性・時代性に関心がある
  • 感情の生々しさを言葉で味わいたい

3. ガムシャラ バタフライ|もがきのリズムが胸を打つ

最後は「ガムシャラバタフライ」という曲になります。内面的な葛藤や変化への渇望を、疾走感のあるサウンドに乗せた一曲。言葉は象徴的で、意味を一義に決めにくいものの、リズムと語感の勢いが心をつかみます。歌詞は難解でも「なぜか好き」と感じさせる、勢いと余白のバランスが秀逸です。

自分の殻を破りたい、でももがいている——そんな心の動きを、言葉の跳躍とビートで体感させてくれます。

聴きどころ・解釈のヒント

  • 蝶のイメージが示す変容・飛躍のメタファー
  • 語感の連なりが意味の曖昧さを補い、感情のリアリティを増幅
  • ライブや高音質音源でビート感を味わうと理解が進む

こんな人におすすめ

  • 歌詞の意味よりグルーヴで感じたい
  • 自己更新やチャレンジの局面にいる
  • 象徴的な言葉遊びを楽しみたい

「それがどうしたソング」をもっと楽しむコツ

意味が取りづらい歌詞は、正解探しより「自分の解釈」を育てるのがコツ。次のポイントを意識すると、味わいが深まります。

  • 歌詞カードを眺めながら聴くとモチーフの反復や視点の移動に気づける
  • ライブ音源や別アレンジで言葉の表情の違いを比べる
  • 自分の体験や価値観と重ねて、心に刺さる一行を見つける

まとめ

山崎まさよしの「それがどうしたソング」ベスト3として、パンを焼く、長男、ガムシャラ バタフライを紹介しました。わからなさや曖昧さは、受け手の想像力を呼び起こす大切なスパイス。ぜひあなた自身の解釈で、もう一度聴き直してみてください。