提出日:2023年11月27日
LINE漫画で配信、そして2023年7月に単行本の第1巻が発売された「氷の城壁」が非常に面白いのでご紹介させていただきます!
「氷の城壁」は阿賀沢紅茶先生による漫画で、2018年にマンガ賞「集英社少女マンガグランプリPowered by LINEマンガインディーズ 2018summer」で特別賞に選出され、2020年1月から2022年4月にかけてLINEマンガで連載されたwebtoon作品です。
「コミックシーモア年間ランキング2022」女性コミック部門では第1位、「AnimeJapan 2023」で開催された「第6回アニメ化してほしいマンガランキング」では第2位を受賞しています。
2023年7月より単行本化され、毎月1冊のペースで発刊され2023年11月現在6巻まで発売されています。
阿賀沢紅茶先生は現在「少年ジャンプ+」にて連載されているラブコメディ漫画の「正反対な君と僕」も有名です。
「正反対な君と僕」も思春期特有の悩みがうまく描かれていますが、作品のテイストとしてはかなり異なっており、「氷の城壁」はよりキャラクターの心情に寄り添った内容となっています。
その心理描写は生々しくも誰もが共感しうる内容となっており、「正反対な君と僕」と「氷の城壁」を生み出した阿賀沢紅茶先生は青春マンガを描くのが非常にうまいと感じます!!
令和時代の青春マンガ
集英社の氷の城壁特設サイトに記載されているあらすじは以下の通りです。
人と接するのが苦手で、他人との間を壁で隔ててしまう氷川小雪。高校では誰ともつるまずに1人で過ごしていたけど、なぜかぐいぐい距離を詰めてくる雨宮ミナトと出会い──? 孤高の女子・小雪、学校の人気者・美姫、距離ナシ男子・ミナト、のんびり優しい雰囲気の陽太…。
どこかちょっとこじれた4人のもどかしい青春混線ストーリー!
との事で、
高校生の青春を描いた作品となると恋愛作品などが多くありますが、まずは交友によってそれぞれの心の壁を取り払っていく様が描かれており、そのもどかしさは
Web漫画ならではの構成で、縦読みする構成になっているのが特徴的です。。その縦読みならではの工夫がされた構成となっており、いわゆる漫画のフォーマットとしてある多数のコマで構成されたものではなく、ページでは枠のない状態で空白を感じる程度に描かれ、コマはその中に数コマ程度描かれるという構成になっているのも特徴です。
一話も15ページから20ページほどの長さの話数が主で、多くても30ページとなっていて、スマホからでもすらすらと各話を読める印象で、縦読みという特徴的な構成ですが、横読みである単行本ではまた違った感覚で読むことが出来ます!
大人でも共感できる心理描写
主人公の氷川小雪は身長が低く、男子などからよくからかわれる小中学生時代を過ごしてきました。それをからかう事などが「冗談」「好意」なら許されるのか、自分の気持ちはどうしたらいいのか?自分から関わろうとしていないのに自分の領域になぜ入り込んでくるのか?放っておいてほしいという「心の壁」を他人に対して築き、いつしか目つきも悪くなり、高校では誰ともつるまずに、目付きの悪さも合わさってクラスでも孤立した存在となっています。
おさななじみで別のクラスながら学校中で人気の安曇美姫は、人気者でニコニコしているけどそれは素の自分ではなく、あまりに周りから持ち上げられるから素が出せないというもので、小雪にはそんな気苦労から疲れた姿を見せるなど気の知れた仲です。そんな美姫の素は実はガサツで、クラスでの自分と素が出せないでいる事から「本当の私ってなんだろ」と葛藤を抱えていたりします。
男子サイドでは内輪ネタで仲のいい友達グループで笑いを取っている雨宮湊は、付き合っていた彼女に「自分がない」と振られ傷つくなど、心の葛藤が垣間見えます。そんなミナトは小雪のふるまいから「壁」を作っている事を見抜き、そんな小雪が気になっています。
ミナトの友達である日野陽太はほがらかな性格で、背が高く小雪とぶつかるシーンでは小雪にちょっとした恐怖を覚えさせたりもしますが、その性格から小雪に対しても優しく接していき、小雪の心の壁を柔らかくするきっかけとなる存在でもあります。
そんな四人を主軸に描き、多感な思春期だからこその登場人物の様々な葛藤が描かれており、その心の有り様に共感を覚えるキャラクターが居るのではないでしょうか。
レビューでは世代問わず共感を呼んだとの声
そんな「氷の城壁」ですが、掲載されていたウェブコミックサイトのレビューも非常に好評の声が多く上がっています。
以下一部抜粋してご紹介させていただきます。
「登場人物の心の動きがリアルで、共感してドキドキしたり、嬉しくなったり、切なくなったり、涙したり… と同時に学生の時の自分の恋愛や人間関係を思い出して懐かしくなったりします。」
「もう私はティーンの主人公の漫画を読んでも心が動かなくなってしまったと思っていましたが、こちらは普通の少女漫画とは全然違って、えぐって来ます。」
「思春期あるあるを的確に言語化していて凄いなと思います。男女問わずおすすめしたいです。」
「最近の漫画で群を抜いて、心が揺さぶられたなと 思います。」
「大人にこそ読んでほしい青春?漫画 心の中のモヤモヤが綺麗に言語化されているし登場人物みんな可愛くて良い子で全員好きになる」
「登場人物たちの心理描写の描かれ方がすごく上手で、自分の事ではないのに切なくて苦しくなったりキュンとしたり感動したり… 何度読んでもまた読みたくなる作品です。」
「あんまり会話が飛び交う漫画じゃないけど、だからいい。ひとことひとことに味があって、無言でも表情だけで読み取れるし、どのキャラもおもしろいから、どの登場人物の話でも引き込まれる。」
男女問わずこのようなレビューが書き込まれていて、世代や性別を性別を問わず刺さる内容であることが伺えます。
アニメ化が非常に待たれる作品
そんな「氷の城壁」ですが、アニメ化を希望する声は多く上がっており、前述の通り「AnimeJapan 2023」で開催された「第6回アニメ化してほしいマンガランキング」では第2位を受賞しています。
レビューサイトでの世代性別問わない評価を見るにアニメ化されたら人気を博すことは必至で、高校生の男女を描き人気を博している「君に届け」に並ぶ作品となるのではないでしょうか!?
またYoutubeの集英社マンガ公式チャンネルでは、公式PV氷の城壁の1・2話がボイスコミックが公開されており、氷川小雪役を宮本侑芽さんが、雨宮湊役を木村良平さんが担当するなど、実力派の声優さんがキャストを担当しており、非常に見応えがあるので一度チェックしてみてください。
そんな誰にでもあったであろう思春期のモヤモヤをうまく描き、多くの人の共感を呼んだ「氷の城壁」は
現在単行本1〜6巻発売中! 7巻は12/4発売予定で毎月1巻ずつの刊行予定です!
各種漫画配信サイトでも読むことができ、試し読みも可能ですのでぜひ一度チェックしてください!
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